ユダヤ教ではいろいろな戒律がありますよね。
カシェルと呼ばれる食事の戒律だったり、安息日には一切の労働が禁止されたり、家に入る時にはメズーザーに手を当てて祈ったり・・・。
実は服装にも規定があるんですね。
すべての宗派ではないですが、特に超正統派の人たちは見たらすぐにわかるような恰好をしています。
ユダヤ教の服装に関する戒律
トーラーとはヘブライ語で「教え」という意味を持ち、ユダヤ教の聖書でもあるタナハの最初のモーセ五書の事を指します。
このトーラーには当然、服装に関する戒律があります。
ユダヤ人の男性は歴史的に、ターバンやスドラ、チュニック、マントを着てサンダルを履きます。
ハシディズムと超正統派の服装
<超正統派の服装>
ハシディズムと超正統派のユダヤ人は、厳格にトーラーの教えを守り服装を選んでいます。
女性はTシャツなどは首まであるもの(胸がはだけないもの)、スカートやドレスはひざを隠せるもので、くるぶしまである長さの物を着用するとこも多いです。体のラインを強調しないものを着なくてはいけません。
既婚女性は頭を覆うものを必ずかぶり、パンツやタイトスカート、ミニスカート、袖のないドレスなどは禁止されています。
色にも規定があり、派手でない色、黒・濃い青・グレーや茶色で、お祝い事の時は白いものを着ます。
夏でもストッキングやハイソックスを履くので、夏は薄手の生地、冬は厚手の生地のものを使い分けています。
男性は、黒いコートにジャケット、黒いパンツに黒い靴を履き、コットンの白いシャツを着ます。
当然頭には、キッパーか黒いハットを被っています。
正統派ユダヤ教徒の服装
正統派ユダヤ教徒は、超正統派に比べ少しだけ自由度があります。
女性は、超正統派とほぼ同じですが、色に関してはもっと自由です。中にはカラフルなスカーフを頭に巻いている女性もいます。
男性も同様に落ち着いた色の物を着ますが、黒と白でなければ駄目だというものではありません。
一般のユダヤ教徒の服装
キッパーを被っている人は多いですが、洋服に関して言うと私たちと同じものを着ています。
特に服装は何でもいいようですね。
旅行中にユダヤ人に会うことがありますが、キッパーを被っていないと服装だけで判断することはできません。
学校の制服
<BBCより引用>
公立・州立学校では、イスラエルの子供たちは制服を着ます。
一般的には、ジーンズに学校の紋章が入ったシャツを着ています。ただし、校則や宗派によって変わります。
上の写真は超正統派の女子学生のもので、肌を出さない格好をしていますね。
兵士の服装
イスラエルでは徴兵制度があり、女性にも兵役義務があります。
女性も兵役するので義務かと勘違いされますが、兵役義務があるのはイスラエル在住のユダヤ教徒とイスラム教ドゥルーズ派教徒のみで、その他のキリスト教徒などは兵役義務がありません。
この兵役中の兵士は下の写真のように、休暇中でも銃を持って、いつ何があってもいいように備えています。
ビキニ姿のイスラエル軍女性兵士 pic.twitter.com/gWvtNlF4eF
— Girl & Gun 銃を持った女の子 (@GunGirlpic) March 22, 2014
最後に
ちなみに一般のユダヤ教徒が超正統派のコミュニティなどに行くときは、相手を尊敬する意味を込めて服装も変えるようですね。
私の宗派はこれだからというわけじゃなく、行く場所によって臨機応変にしているそうです。
私たちがイスラエルに行くときも、場所によっては短パンやワンピースでは失礼になることもあるので、気をつけましょうね。