ユダヤ関連のニュースなどを見ると、エルサレムって名前がよく出てきますよね。
イスラエルの首都だと思っている人も多いと思うのですが、首都はテルアビブで、最大の都市がエルサレムになります。
イスラエルはエルサレムが首都だって宣言しましたが、国際社会は認めてないですね。というか、イスラエル自体勝手にパレスチナに乗り込んできて建国したので、これも認められないはずなんですが、まぁそこはユダヤのお金の力で何とかなりましたね。
それにしても、ここは不思議な町なんですよ。
エルサレム
先ほども言ったように、エルサレムはイスラエルにある都市のひとつで、国際社会的には首都ではありません。
また、世界最古の都市の一つで、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地となっています。特に旧市街には嘆きの壁や、聖墳墓教会(キリストの墓とされる場所にある教会)、岩のドーム(イスラム教第3の聖地)などがあり、特に重要な地域になっています。
ここがちょっとおもしろい所なのですが、この旧市街は方角ごとに4分割されていて、南東はユダヤ人地区、北東はムスリム地区、北西はキリスト教徒地区、南西はアルメニア正教徒(アルメニア人に信仰されているキリスト教)と、いろいろな宗教の信者が混在する町なんですね。
また、旧市街で人口が一番多いのは、ユダヤ人ではなくイスラム教徒です。
他にも東エルサレム(旧市街はこの中に含まれる)は、パレスチナ自治政府が首都とみなしているのですが、第3次中東戦争でイスラエルがヨルダン川西岸地区を占領し、周囲の地方自治体を西エルサレムに併合し、東エルサレムもイスラエルの占領下におかれました。
西エルサレムは新市街と呼ばれ、近代的な建物が多い地域になりますが、北東地域は超正統派の住む町で、古い町並みが残っています。
なぜ3つの宗教がエルサレムを聖地としているのか?
ユダヤ教、ムスリム教、キリスト教が同じ地域を聖地と崇めているには訳があります。まずは、各宗教にとってどういう意味があるか見ていきましょう。
- ユダヤ教・・・エルサレムは「神から約束されたカナンの土地」であり、ユダヤ人の始祖であるアブラハムが神に信仰を試された聖なる岩がある場所
- イスラム教・・・イスラム教の開祖であるムハマンドが聖なる岩に手をついて天に昇り、天の声を聴き再び地上に戻ってきた場所
- キリスト教・・・イエスが十字架にかけられた場所である「ゴルゴダの丘」があり、キリストの墓とされる場所
時代を見てみると、ユダヤ教は紀元前の話、キリスト教は紀元前後の話、イスラム教は580年頃の話となります。
なので、宗教の流れを見ると以下の様になります。
ユダヤ教が生まれ、ユダヤ人であるキリストがキリスト教を始める。その後、ムハマンドがイスラム教を始める、と言った流れで、当然キリスト教はユダヤ教の影響を大きく受けているし、イスラム教もキリスト教の影響を大きく受けています。
ちなみに、イスラム教の五大預言者は、ノア、アブラハム(ユダヤ)、モーセ(ユダヤ)、イエス(ユダヤ)、ムハンマドとなっています。
よくみると、ユダヤ教、キリスト教も深く関係しているようですね。
というか、ユダヤ人が発祥と言っても過言じゃない感じですね。だって、ムハマンド以外は全員ユダヤ人ですよ。
エルサレムは国連管理下の都市
1947年の国連パレスチナ分割決議で、エルサレムは国連の管理下に置かれ、56.5%をユダヤ国家に、43,5%をアラブ国家にするというものでした。
だが、決議の翌年1948年にイスラエルがエルサレムに侵攻し、侵略したんです。それ以降色々ありましたが、イスラエルが違法に統治しています。
ってこれ、すごいですよね。国連の決議を無視して他国に戦争仕掛けて、土地を奪い、命を奪い、そこに居座っているなんて。(正確にいうと国連決議が施行される前に建国宣言をしたので戦争が始まりました)
あっ!みなさん「こんな感じの国、日本の近所にあるな」って思いました?笑)
でもこれを見て分かるように、侵略して居座れば勝ちなんですよ。世界はこんな風にできているんです。
私は反イスラエルというわけじゃないですが、歴史を紐解くと、好きにはなれない国ですね。
彼らからしたら、「3000年以上前に祖先が住んでいた!」っていうかもしれませんが、彼らがいう祖先は彼らとはほとんど血の繋がっていないアラブ人です。イエスキリストも白人じゃなくて、褐色の肌をしたアラブ人ですよ。
というか、パレスチナ人ってアラブ人なんですね。(パレスチナ人とは、パレスチナに住むアラブ人の総称)
白人系のユダヤ人は、8世紀ごろにユダヤ教に改宗したハザール人や、ドイツ系のユダヤ人なので、キリストの頃のユダヤ人(ユダ族)と血は繋がってないです。
ただ、そこは無視して国際社会に、「被害者は私たちだ」とアピールしてます。
こちらの日ユ同祖論とは?で、紀元前にパレスチナに住んでいたユダヤ人のイメージ写真があるので、見てみて下さい。
アメリカが大使館をエルサレムに移転した
はい。大問題が発生していますね。
イスラエル寄りの外交政策を取るトランプ政権は、2018年5月に在イスラエルアメリカ大使館をエルサレムに移転しました。言ってみたら、アメリカがエルサレムはイスラエルのものだと言ったようなものになります。
先ほどお伝えしたように、エルサレムはイスラム教徒・キリスト教にも重要な地域なので、パレスチナ人、アラブ人などの世界のイスラム教徒は憤慨して、国際社会はアメリカの行動に非難を浴びせています。(トランプさんは気にしないでしょうけど・・・)
また、パレスチナ人はこれに抗議するためにデモを行ったのですが、イスラエル軍が銃撃して60人以上が亡くなりました。言わば、アメリカのせいで命をなくしましたね。
皆さん、日本にいたらあまり聞かないかもしれないですけど、イスラエルはバンバンミサイルを撃ってパレスチナ人を殺しているんですよ。
「なぜ欧米でユダヤ人は嫌われる」で詳しく紹介しましたが、ここ、元々はパレスチナ人が住んでいたんですよ。でも、世界はユダヤが牛耳る権力やお金が必要なので強く言えないんですね。
そもそもパレスチナ人が住んでいるのに、勝手に建国して、元の住民を追い出し、殺害しても責められない、奇跡に近いですよね。
お金は恐いですね・・・。
パレスチナは?
さて一方のパレスチナ人はというと、長年住んでいたところを追われ、小さな自治区に閉じ込められ、年々領土を奪われています。いわゆるパレスチナ人自治区ですね。注)自治区という名前が使われているので、誤解されると思いますが、パレスチナは国です。1988年に建国
この差はなんなんでしょう?
はい、お金と権力ですね。
はっきり言って、ビジネス(国益)で考えると、何も持っていないパレスチナ人と、世界を牛耳っているユダヤ人、どちらの肩を持てばいいでしょうか?簡単ですよね。
だからイスラエルはどんどん豊かになり、パレスチナ人はどんどん貧しくなっています。
ちなみに、日本ではパレスチナ人自治区という言い方をしますが、パレスチナは1988年に建国された立派な国なんですね。
国連には未加入ですが、2016年時点で136カ国が国として承認しています。
じゃあなぜ、パレスチナ人自治区って言い方をするんでしょうか?
日本はアメリカの顔色を伺っているからでしょうか、それとも国益を考えユダヤ人側に付いているのでしょうか?日本はパレスチナを国と認めていません。
日本ってもっと綺麗な心を持っていると思っていましたが、こんなもんだったんですね。大人の事情があるとは思いますが・・・。
まとめ
こんな事情があるエルサレムなので、行かれる際にはぜひ歴史を感じて欲しいと思います。
それにしても、資本主義社会は嫌な世界ですね・・・。