ユダヤ教徒って、なんでキッパー(キッパ)って呼ばれる帽子を被っているんでしょうね。
当然趣味じゃなく宗教的意味合いがあるのですが、それにしても小さいし、落ちそうな感じがしてますよね。
落ちたら一大事でしょうけど・・・。
実はユダヤ教徒じゃなくても、イスラエルに行くとキッパーを被らないといけない場所もあるって知っていました?
知らずにそんな場所に行ってしまったら、一大事ですよ!(そういった場所には紙のキッパーがありますが・・・)
しかも被っているのは男性だけで、女性は被っていないですよね。
謎深い帽子です・・・。
ということで今回は、このキッパーについて紹介します。
キッパーとは
キッパーとはユダヤ教の民族衣装の一種で、主に男性が被るものです。キッパーの意味は「ドーム」で、頭に被るとドーム状の形になるからです。
ただしキッパーは被るというよりは頭の上に載せる感じのもので、小さなものはピンが付いていて、これを髪の毛に留めて頭部にキッパーを載せています。
いつも被っている人もいればそうでない人もいますが、シナゴークや聖なる場所に入る時は男性はこれを被らないといけません。
観光客であっても嘆きの壁に行くときは、被らなくちゃいけないので、紙のキッパーが置いてあります。
注)正確に言うと、「被らなくちゃいけない」わけでは無く、ユダヤ人に失礼にならないように「被ったほうが良い」とのことです。
下の写真を見て分かる通り、超正統派ユダヤ教徒はハットを被っていますが、この下にキッパーを被っているらしいです。
女性で頭部を覆っていない人は兵役中の方ですが、他の人は帽子やバンダナっぽいもので頭部を覆っていますね。
キッパーを被る理由
ユダヤ教徒の中でも議論されているのですが、キッパーはいつも被らなくてはいけないのでしょうか?
ベン・マイモンが作ったユダヤ法法典によれば、「祈りの時には被らなくてはいけない」と定義されていますが、ユダヤ教の聖書(Kiddush Hashem)によると、常に被る事を強制されていると解釈する人もいるそうです。
ユダヤ教徒であったら、ほとんどの人が常に被っているイメージがありますよね。
キッパーを被る理由としては、以下の事が言われています。
- 神に敬意を示す行動だから
- 他の宗教徒と判別がつきやすいから
- ユダヤの法律ハラーハーで決められているから
- 頭上に神がいることを意識するため
キッパーの種類
実はキッパーには種類があって、宗派によっても分かれています。
種類 | 着用宗派 |
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宗教的シオニスト・モダンオーソドックス・保守派・改革派 |
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モダンオーソドックス・保守派・改革派 |
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イェシーバ・ハシディーム派(超正統派)・ハレーディー(超正統派) |
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保守派・改革派 | |
エルサレムに住む色々な人種・国籍・宗教を持った人たち(アラブ人・ローマ正教徒・プロテスタント、ギリシャ正教徒などなど)で頭にすっぽり入るタイプ | |
子供に人気のタイプで、セファルディムのユダヤ女性やフェミニスト、改革派が着用 | |
イエメンに住むユダヤ人 |
<引用写真クレジットwikipedia・Gilabrand・Benutzer・Boles Shikmim・David Berkowitz・wikipedia・Yoninah>
イスラエルに行ったら、お土産屋(?)でもいろんな種類のキッパーが売ってますよね。
キッパーでもおしゃれが出来るってくらい、色や種類が豊富です。
キッパーを被ると差別される?
ユダヤ人って心無い人に差別されているって知っていましたか?特にキッパーを被るとユダヤ教徒と一目瞭然なので、地域によっては歩きたくなくなるような仕打ちを受けます。
動画は英語なのですが、ジャーナリストがキッパーを被ってヨーロッパの色々な都市を歩くというもので、つばかけられたり、文句言われたり、写真を撮られたりしているかと思いきや、コペンハーゲンでは女性がいきなりハグしてきたり。
「なぜ欧米でユダヤ人は嫌われる?」で、なぜユダヤ人が標的になっているか詳しく紹介しているので、読んでみて下さい。
最後に
キッパーをイスラエル以外で被るとこうやって標的にされることもあるのですが、それでも被るというのは強い信仰心があるからですよね。
ユダヤ教は歴史の長い、不思議な宗教ですね。